第7回 / 全10回講座
安定勝率のスイングトレード研究
テクニカルでシンプルに利益を伸ばす実践法

数千銘柄から絞り込む!夜30分で見つかる「勝てるスイング銘柄」の探し方

日本市場には約4,000社もの上場企業が存在します。日中に相場を見られない兼業投資家が、毎夜すべての銘柄をチェックすることは不可能です。勝てるスイングトレーダーと負ける投資家の決定的な違いは、「銘柄の絞り込み手順(スクリーニング help スクリーニング(Screening)
膨大な上場銘柄の中から、特定のテクニカル条件や財務条件を指定して対象を自動抽出する作業。
)」がルール化されているかどうかにあります。本講義では、証券会社の無料ツールを使って母集団を数千社から数十社へと一瞬で絞り込み、夜のわずか30分で翌日狙うべき「本命銘柄」を発掘するプロのルーティンを完全公開します。

失敗を防ぐ!プロが設定する「3段階スクリーニング条件」

銘柄選定で最も重要なのは、「良い銘柄を探すこと」ではなく、「事故に巻き込まれる危険な銘柄を最初に排除すること(足切り)」です。まずは証券会社のスクリーニングツールに以下の3つの条件を入力し、対象を機械的に絞り込みます。

スクリーニング段階 設定する具体的なパラメータ 実務における採用理由と効果
第1フィルター
【流動性の確保】
売買代金:基本10億円以上
(中小型株を狙う場合でも「最低3億〜5億円以上」を厳守)
約定滑りと売却不能リスクの遮断 売買代金が極端に少ない過疎銘柄は、自分の成行売りで株価が急落して大損します。機関投資家や活発な資金が循環している流動性のある銘柄だけを残します。
第2フィルター
【トレンドの確認】
現在株価 > 25日移動平均線
かつ「25日線の傾きが上向き(プラス)」
下降トレンド銘柄の完全排除 25日線より下にある銘柄は、含み損を抱えた投資家の戻り売り圧力が強いため除外します。25日線が上を向き、買い手が優勢な上昇気流の銘柄だけに限定します。
第3フィルター
【モメンタムの選別】
年初来高値(または直近高値)の-10%以内
株価が高値圏・青天井ゾーンの近辺を維持
上値のしこり玉(ヤレヤレ売り)を回避 過去の高値から大幅に下落した銘柄は、戻り売り(ヤレヤレ売り help ヤレヤレ売り
含み損に耐えていた投資家が、買値まで戻ってきた安堵感から手仕舞う売り注文。
)が壁になります。高値圏にある銘柄ほど上値が軽く、ブレイク時の伸びが鋭くなります。

夜30分で完了する「4ステップ・デイリールーティン」

市場が閉まり、当日の適時開示情報(決算や業績修正)が出揃った夜20:00以降の落ち着いた時間帯に、以下の順序で作業を進めます。手順を完全にルーティン化することで、毎日の負担を最小限に抑えられます。

20:00〜(5分)

ステップ1:スクリーニング条件の実行

証券会社の保存済みスクリーニング条件を1クリックで実行します。約4,000銘柄から一気に20〜30銘柄程度まで母集団が自動的に絞り込まれます。

20:05〜(15分)

ステップ2:日足チャートの連続目視確認

抽出された20〜30銘柄のチャートを1銘柄あたり20〜30秒程度でテンポよく確認します。「きれいな高値・安値の切り上げがあるか」「25日線付近で押し目を作っているか」「出来高が平時より急増しているか」をチェックし、翌日のエントリー候補を2〜3銘柄に絞り込みます。

20:20〜(5分)

ステップ3:決算スケジュールの確認(地雷チェック)

選んだ2〜3銘柄の「直近の決算発表予定日」を必ず確認します。数日以内や来週前半に決算発表を控えている銘柄は、どれほどチャートが美しくても即座に対象から除外します。

20:25〜(5分)

ステップ4:損切り逆算ロットの算出と予約発注

第6回で学んだ「許容損失(2%ルール)÷ 損切り幅」から購入株数を算出し、証券口座から「買い注文+逆指値成行」の予約セットを発注します。これで翌朝の相場に向けた準備は完全終了です。

プロの視点:業種別騰落ランキングで「資金の向かい先」を確認する
スクリーニングを実行する前に、当日の「東証業種別(33業種)ランキング」をチェックするのが極めて有効です。銀行、半導体、商社など、上位に位置する強いセクター(大口の資金が流入しているテーマ)に属する銘柄を優先的に選ぶことで、市場全体の地合いの追い風を受けて勝率が格段に高まります。

チャートが良く見えても買ってはいけない「3大NG銘柄」

スクリーニングで抽出された銘柄の中には、初心者を罠にかける危険な兆候が潜んでいる場合があります。以下の3パターンを見つけたら、監視対象から即座に外してください。

第1に、「信用倍率 help 信用倍率(しんようばいりつ)
信用買い残を信用売り残で割った数値。数値が大きいほど将来の売り圧力(買い残)が過剰であることを示します。
が極端に高く、買い残が増加し続けている銘柄」
です。信用倍率が10倍以上などに跳ね上がっている銘柄は、個人投資家の借金買いが天井圏で積み上がっています。株価が少しでも下がると追証回避の投げ売りが連鎖し、強烈な急落を引き起こす典型的な地雷となります(健全な目安は3〜5倍以下)。

第2に、「不自然なストップ高を連発した直後の仕手株・材料株」です。業績の実態を伴わず、短期的な仕手資金で吊り上げられた銘柄は、テクニカル分析が全く通用しません。大口が売り抜けた瞬間に連続ストップ安となり、逆指値注文すら通らずに大損害を被る危険性があります。

第3に、「日足ローソク足に毎日極端に長い上下ヒゲが乱立する銘柄」です。これは板が薄く、一部のアルゴリズム取引に振り回されている証拠です。逆指値注文を頻繁に刈り取られて無駄な損切りを量産するため、スイングトレードの対象には適しません。

本講義のまとめ(覚えるべき最重要ポイント)
  • 銘柄選びの第一関門は「売買代金10億円以上(中小型でも3億〜5億円以上)」の流動性フィルターである。
  • 「現在株価 > 25日線(上向き)」かつ「年初来高値付近(-10%以内)」で上値の軽い強気銘柄に絞る。
  • 夜のルーティンは開示情報が出揃う20時以降に「抽出・チャート確認・決算チェック・発注」の30分で完結させる。
  • チャートが美しくても、直近数日以内に決算発表を控えている銘柄はリスク管理として即座に除外する。
  • 信用倍率が過剰に高い銘柄や仕手株は、突発的な急落に巻き込まれるリスクが高いため監視対象から外す。